小児アレルギー患者の早期介入について

2021年5月9日

小児アレルギー性鼻炎の発症、重症化を阻止するために早期の介入が重要であると言われています。期待されている介入手段として、アレルゲン(アレルギー反応を来す原因物質)の回避、アレルゲン免疫療法、出生後の皮膚の保湿などが挙げられています。ただ、有効性、安全性についてはさらに科学的な評価を進めていく必要があります。

アレルギー性鼻炎治療において、アレルギーの説明、アレルギーの検査、アレルゲン回避の重要性を患者に行った場合は、十分に行わなかった場合と比較して有意に治療効果が高かったとの報告があります。自分の体を十分に理解し、治療を行うことは、アレルゲン回避への意識が高くなっていることが想定されます。

近年皮膚を介したアレルゲンの経皮感作が、食物アレルギーや喘息発症に大きな役割を果たすことが知られています。そのため乳児期から適切な体の洗い方や皮膚の保湿などのスキンケアが大切になります。アレルギー性鼻炎に関しても皮膚のバリア機能を保つ保湿を介した予防が期待されています。小児アレルギー性鼻炎の発症に対しても抑制効果が報告されています。ただし、小児アレルギー性鼻炎では、アトピー性皮膚炎の既往や合併がない発症が50%以上に見られていることから、実際の効果に関しては更なる検討が必要であると言われています。