2022年3月

舌下免疫療法や予防的治療について

2022年3月17日

スギ花粉の本格的な飛散が始まり、鼻や眼の症状に加えて倦怠感で苦しんでいる方も多いと思います。

でてしまった症状はセルフケアや薬物治療をしっかりおこなってください。花粉飛散量は日によってバラツキがあるため症状が軽い日は薬物治療を休みがちです。症状が軽い日も薬物治療の継続をおこなってください。

今シーズン花粉症で苦しんでいる患者さんは、来シーズンの花粉飛散に備えて舌下免疫療法も考えてみてはいかがでしょう。3~5年の長期治療が必要になりますが舌下免疫療法を続けてきた患者さんの多くは自覚症状や鼻や眼の所見も軽く日常生活への影響も小さい患者さんが多いです。スギ花粉の飛散が多い時期でも免疫療法単独、もしくは追加治療で症状がコントロールできている患者が多いと思われます。

免疫療法まではと思われる患者さんは来シーズンは花粉飛散前からの予防的治療をおすすめします。今週は予防的に治療を開始した患者さんの再診も複数ありましたが自覚症状の苦痛度も小さく前回と同じ薬剤の継続や最小限の薬物の追加すんでいる患者さんも多く認めます。

当院ではスギ舌下免疫療法の開始時期は6月~11月末までとしています。気になる方はご相談ください。またスギとダニの舌下免疫療法の併用もおこなっています。

妊婦さんの花粉症について

2022年3月6日

妊娠中はホルモンの関係で鼻の粘膜に影響を与え、鼻閉を中心とした鼻症状の悪化を認めることが知られています。20歳から40歳台のスギ花粉症の罹患率は46.8~47.5%との報告があり、妊婦さんがスギ花粉でつらい思いをすることは珍しいことではありません。

セルフケアとして花粉情報を参考に花粉飛散が多い日は不要な外出を控え、外出後は衣服や髪を払い室内に持ち込む花粉量も最小限にしてください。晴れて気温が高い日、乾燥して強風の日、雨上がりの翌日は花粉飛散が多いと言われています。マスクは花粉暴露数を約1/3~1/6に減らすと言われています。蒸しタオルや入浴などは鼻閉に効果的です。ひさしのある帽子も花粉性結膜炎の予防に効果があります。

薬物治療は妊娠2~4か月は催奇形性が問題になり、5か月を過ぎると薬剤による奇形の問題はほぼなくなってきますが、薬物が胎盤を通過して胎児に影響を与える胎児毒性を考慮しなければいけません。安易な投薬を避け胎児への影響を考慮して慎重な治療が必要になります。

妊娠による鼻症状の悪化に加えて、今まで行っていた薬物治療も胎児への影響を考えなければいけません。まずは今まで以上に十分なセルフケアを心がけてください。それでも花粉症状がつらい、日常生活への影響が大きい場合はご相談ください。