複数の抗原に感作されているスギ花粉舌下免疫療法について

2021年4月3日

スギ花粉の飛散が終わり、ヒノキ花粉が飛散しています。ハンノキなどの花粉も認めています。

アレルギー性鼻炎における舌下免疫療法が効果的であることは既にご存じの方も多いと思います。

舌下免疫療法はスギ花粉、ダニの二種類しかなく、スギ花粉やダニ以外への効果は期待できないのが現状です。スギやダニ以外にヒノキ、カモガヤ、ハンノキ、イヌやネコなど複数の抗原に感作され、それらが原因でくしゃみ、鼻水、鼻つまり、目のかゆみなどの症状がでている方も決して珍しくありません。

スギ花粉単独の場合とスギ花粉以外の複数の抗原に感作されている場合において、スギ花粉舌下免疫療法の効果に差があるのかを検討した文献がありました。

複数の抗原に感作されていてもスギ花粉舌下免疫療法の効果に大きな影響を与えない結果でありました。

舌下免疫療法は今までの治療に満足が得られていない方などが適応になります。アナフィラキシーなどの副反応に注意しなければいけません。そのため治療開始にあたって十分な説明と同意が必要になります。

スギ花粉舌下免疫療法はスギ花粉が飛散している時期に治療開始はしません。当院では6月以降から治療を開始します。