小児の30%は5歳になるまでに鼻出血を経験していると言われ、発症のピークは3~8歳であり2歳以下の出血は稀です。
鼻出血の70~90%は鼻中隔前方のキーゼルバッハ部位から生じており、この部位からの出血は用手的に鼻翼を5~10分程度圧迫することで止血が得られます。
原因の多くは、アレルギー性鼻炎や鼻副鼻腔炎の合併や感冒などにより鼻粘膜の炎症があり、そこに鼻ほじりや鼻かみをすることにより鼻粘膜が損傷し出血をきたします。小児特有の原因としては鼻腔異物などにも注意が必要です。稀ではありますが出血を繰り返す場合は腫瘍性疾患や血液疾患を疑う必要があります。
治療としては、原因となるアレルギー性鼻炎や鼻副鼻腔炎の治療をおこないます。自宅や園、学校などで出血をきたした場合は、鼻翼軟骨を5~10分程度圧迫することで一旦は止血が得られます。圧迫時の姿勢は座位でうつむいて、のどに降りてきた血液は吐き出して飲み込まないようにしてください。乾燥や鼻いじりで痂疲(かさぶた)が付きやすい場合は軟膏の塗布を行うこともあります。
当院では、鼻出血時の鼻翼軟骨の圧迫の仕方や姿勢などを記載した用紙(犬のジャックも映っています)があります。圧迫する部位が違っている場合も見受けられます。
現在の花粉症の原因はイネ科のカモガヤやオオアワガエリなどが主体です。
繰り返す鼻出血や多量の鼻出血は不安が大きくなります。ご相談ください。

行動制限の無かったゴールデンウイークは楽しまれたでしょうか。
自分はこれといった外出はしませんでしたが、洗車をして知多半島の海岸沿いをドライブしてきました。


時々近場をドライブしています。上の写真は撮影日が違います。
ヒノキ花粉も終わりイネ科花粉に注意が必要です。6月以降はスギ花粉症患者の舌下免疫療法を開始します。ダニの舌下免疫療法は現在でも開始可能です。ご相談を。
スギ花粉の本格的な飛散が始まり、鼻や眼の症状に加えて倦怠感で苦しんでいる方も多いと思います。
でてしまった症状はセルフケアや薬物治療をしっかりおこなってください。花粉飛散量は日によってバラツキがあるため症状が軽い日は薬物治療を休みがちです。症状が軽い日も薬物治療の継続をおこなってください。
今シーズン花粉症で苦しんでいる患者さんは、来シーズンの花粉飛散に備えて舌下免疫療法も考えてみてはいかがでしょう。3~5年の長期治療が必要になりますが舌下免疫療法を続けてきた患者さんの多くは自覚症状や鼻や眼の所見も軽く日常生活への影響も小さい患者さんが多いです。スギ花粉の飛散が多い時期でも免疫療法単独、もしくは追加治療で症状がコントロールできている患者が多いと思われます。
免疫療法まではと思われる患者さんは来シーズンは花粉飛散前からの予防的治療をおすすめします。今週は予防的に治療を開始した患者さんの再診も複数ありましたが自覚症状の苦痛度も小さく前回と同じ薬剤の継続や最小限の薬物の追加すんでいる患者さんも多く認めます。
当院ではスギ舌下免疫療法の開始時期は6月~11月末までとしています。気になる方はご相談ください。またスギとダニの舌下免疫療法の併用もおこなっています。
妊娠中はホルモンの関係で鼻の粘膜に影響を与え、鼻閉を中心とした鼻症状の悪化を認めることが知られています。20歳から40歳台のスギ花粉症の罹患率は46.8~47.5%との報告があり、妊婦さんがスギ花粉でつらい思いをすることは珍しいことではありません。
セルフケアとして花粉情報を参考に花粉飛散が多い日は不要な外出を控え、外出後は衣服や髪を払い室内に持ち込む花粉量も最小限にしてください。晴れて気温が高い日、乾燥して強風の日、雨上がりの翌日は花粉飛散が多いと言われています。マスクは花粉暴露数を約1/3~1/6に減らすと言われています。蒸しタオルや入浴などは鼻閉に効果的です。ひさしのある帽子も花粉性結膜炎の予防に効果があります。
薬物治療は妊娠2~4か月は催奇形性が問題になり、5か月を過ぎると薬剤による奇形の問題はほぼなくなってきますが、薬物が胎盤を通過して胎児に影響を与える胎児毒性を考慮しなければいけません。安易な投薬を避け胎児への影響を考慮して慎重な治療が必要になります。
妊娠による鼻症状の悪化に加えて、今まで行っていた薬物治療も胎児への影響を考えなければいけません。まずは今まで以上に十分なセルフケアを心がけてください。それでも花粉症状がつらい、日常生活への影響が大きい場合はご相談ください。
スピードスケート女子の高木美帆選手は1000mで金メダルを獲得しました。
2010年バンクーバー五輪にスピードスケート史上最年少の15歳で初出場。14年ソチ五輪は落選。18年平昌五輪は団体追い抜き金、1500メートル銀、1000メートル銅,
北京では念願の個人種目での金メダル。
14年ソチで五輪落選のどん底から8年の歳月を得て金メダル獲得。諦めない姿、長い年月をかけながら這い上がっていく姿はみなに感動を与えてくれました。
見習いたいものです。