メニエール病

2020年10月3日

良性発作性頭位めまい症は耳石が関与するめまいとしてご存じの方も多いと思います。めまい疾患の中で最も頻度が高いと言われいます。

今回は、良性発作性頭位めまい症ではなくメニエール病について書いてみます。メニエール病はめまい発作を繰り返し、めまい発作に伴い聴覚症状(難聴、耳鳴、耳閉感など)が出現します。めまいの初期はめまい発作が改善すると聴覚症状も改善しますが、めまい発作を繰り返している間に難聴が改善しなくなります。めまい発作の持続時間は10分程度から数時間程度です。数秒から数十秒程度の短いめまいや1日以上続くめまいはメニエール病とは考えにくいと思われます。

メニエール病非定形例と呼ばれる病態があります。蝸牛型と前庭型があります。

蝸牛型は、難聴、耳鳴、耳閉感などの聴覚症状を反復しますが、めまい発作を伴わない病態です。メニエール病への移行(めまいを伴うようになる)は約20%と報告されています。

前庭型は、メニエール病のようなめまい発作(誘因なく、10分程度から数時間程度のめまい)を反復し、聴覚症状(難聴、耳鳴、耳閉感など)を伴わない病態です。メニエール病への移行(聴覚症状を伴うようになる)は約15%と報告されています。

メニエール病は、脳梗塞や脳出血などの中枢性めまい(頭のめまい)のように生命に関与するめまいではありませんが、めまい発作が頻回の場合は日常生活への影響も大きくなります。

メニエール病の治療は薬物療法だけでなく生活指導が大切になります。生活指導には過労、睡眠不足、ストレスを避け、ウオーキングなどの有酸素運動も有効です。これらの治療法でめまい発作が抑えられ場合が多いのですが一部にはめまいが改善しない場合もあり、中耳加圧療法などの新しい治療法もでてきています。

メニエール病や良性発作性頭位めまい症以外にも様々なめまい疾患があります。最近では前庭性片頭痛や持続性知覚性姿勢誘発性めまいと呼ばれるめまい疾患もあります。

メニエール病に関しては疫学や生活指導について、その他のめまい疾患についてもブログ更新していきたいと思います。