中枢性めまい(脳からのめまい)

2020年9月21日

めまいが起きた時にまず心配になるのが中枢性めまい(脳からのめまい)と思われます。中枢性めまいの頻度は決して高くありませんが生命に影響を与えたり、後遺障害により日常生活に影響を与えたります。

耳(内耳)からの前庭覚、目からの視覚、足(筋や腱)からの深部覚の情報から、脳(小脳や脳幹)が体の位置や動きを計算し、体のバランスを保っています。そのため耳や脳に障害をきたすとめまいやふらつきを生じます。

脳は体のバランスの維持と、それ以外の運動や感覚を司どっています。そのため中枢性めまいは、めまい以外の脳神経症状として眼球運動障害(物が二重に見えるなど)や構音障害(呂律が回らない)、手足や顔面の運動障害や感覚障害(手足や顔面がしびれたり、動かしにくい)などを伴うことが多くなります。また小脳性運動失調を伴うこともあります。それに対して耳からのめまいは、めまいのみ(良性発作頭位めまい症、前庭神経炎など)、もしくはめまいと難聴(メニエール病、めまいを伴う突発性難聴など)以外の神経症状は伴わないことになります。また中枢性めまいは視覚や深部覚による補正が効きづらいため、耳からのめまいに比べて立っていることや歩行がより困難(体幹失調)になることもあります。

頻度は少ないのですが、常に中枢性めまいに注意しながらの診察が必要になります。

今後はめまい疾患の多くを占める耳からのめまいも書いていきたいと思います。