イヤホンやヘッドホンを使用しての音楽鑑賞を行う機会は多いと思われます。
携帯できる音楽端末の普及に伴い、多くの人があらゆる場所で、長時間、好きな音楽を聴くことが可能になっています。また若い方は普段から大音量を好んでいる人も多いと思われます。長時間、大きな音での音楽鑑賞により難聴が引き起こされる可能性があります。電車などの騒音が大きい場所では知らない間にボリュームを上げていることがあります。音量を上げないためにノイズキャンセリング効果のあるイヤホンやヘッドホンの使用も耳の保護には有効です。
職業性の騒音性難聴は会社による騒音対策が必要になりますが、音楽鑑賞などの非職業性の騒音性難聴は聴覚を守るために本人の対策が必要になります。
世界で11億人の若者が携帯端末などによって安全でないレベルの音に曝露されているとして、WHOは2015年に“Make Listening Safe”というキャンペーンを立ち上げました。
音による難聴を予防することは可能であり、今まで気にしていなかった音量調節や聞いている時間を見直してはいかがでしょうか。
以前のブログでも書いていますが、2019年のアレルギー性鼻炎有病率は49.3%であり、国民の二人に一人がアレルギー性鼻炎患者であると言えます。内訳で5~9歳、10歳台のスギ花粉症の増加が著しいとの結果でした。
スポーツ習慣のある割合は成人では男女ともに70歳台以上が最も高く男性が45.8%女性が37.5%です。小児では男子では中1が78.1%女子では小4の61.0%となっています。10歳台が最もスポーツを行っています。スポーツの種類では幼児・学童期において最も行われているスポーツは水泳であります。
今回は水泳とアレルギー性鼻炎について書いてみたいと思います。水泳による鼻症状の悪化因子としてプール内外の温度差、塩素系消毒剤および化合物、プール水の浸透圧などが挙げられます。プール内外の温度差は特に冬が大きいため、外に出る前にマスクやマフラーなどで口元を覆うことは温度差を小さくするのには有効と言われています。水泳によって生じる鼻閉は水泳後9時間持続したとの報告があります。水泳後の持続する鼻閉に対しては自覚症状のみでなく鼻の中の所見に応じて適切な治療をおこなっていく必要があります。また水泳は副鼻腔炎の発症にも注意が必要であるとの報告もあります。
持久力を得るために水泳は最適なスポーツの一つです。そのメリットを生かすためにデメリットを最小限にしていくことは必要と思われます。
地球からおよそ3億キロ離れた小惑星“リュウグウ”内部の岩石の採取に成功した日本の探査機“はやぶさ2”はご存じの方も多いと思います。
その岩石が入っているカプセルが12月6日にオーストラリアの砂漠に落下されるようです。その岩石から色々な解析がすすめば生命の起源に迫るヒントが含まれているかもしれません。
“はやぶさ2”はこのカプセルの切り離しに成功すれば、その次のミッションはおよさ100億キロ離れた直径30mほどの小惑星に約11年もかけてに向かうようです。
気の遠くなるような壮大な計画には色々な困難もあると思います。JAXAやそれに関わる方々によって是非成功してほしいものです。

寒い季節がやってきました。当院の壁紙もハロウインからクリスマスバージョンに変更しました。スタッフの手作りです。忙しい仕事の合間に作ってくれました。いつものことですが感謝です。
急性中耳炎はお子さんがよくかかる病気の一つです。「急性に発症した中耳の感染症で、耳痛、発熱、耳漏を伴うことがある」と定義されています。ただし乳幼児などのお子さんは痛みを表現できず、不機嫌や耳をよくさわるようなしぐさなどが急性中耳炎のサインになることがあります。
急性中耳炎は、1)生まれてから3歳までに50~70%の小児がかかる、2)ほとんどの小児が生まれてから2歳までに少なくとも1回は急性中耳炎にかかる、3)生後3歳までに30~40%の小児が3回以上の急性中耳炎にかかるなどの報告があります。
多くのお子さんが一度はかかる急性中耳炎ではありますが、一部のお子さんは何度も急性中耳炎にかかり、頻回の通院が必要になる場合があります。反復性中耳炎と呼ばれ「過去6か月以内に3回以上、12か月以内に4回以上急性中耳炎に罹患する」と定義されています。また急性中耳炎の治療をおこなっても治療に抵抗する難治性中耳炎もあります。
中耳炎の反復や難治化にはいくつかの要因が考えられています。
・患者の免疫力:中耳炎の反復や難治化する患者は2歳未満が圧倒的に多いとの報告があります。生後6か月から2歳までは母体から移行された免疫が減少する一方で、お子さん自身の免疫が発育途上のため免疫による防御能力が不十分なことが原因として考えられます。急性中耳炎の原因菌の一つに肺炎球菌があります。肺炎球菌ワクチンの予防接種は大切になります。
・環境要因:集団保育はウイルス性感冒がおこりやすい環境であります。細菌性の急性中耳炎は感冒を契機に発症することが知られています。マスク等による飛沫感染防止、頻繁な手指消毒などが大切になります。
・医療要因:抗菌薬が必要かどうか、どの抗菌薬を使用するかなど適切な治療法の選択が大切になります。その選択が適切でない場合は急性中耳炎の反復や難治化につながる可能性があります。
中耳炎の反復や難治化は、免疫・環境・医療などの複数の要因が重なり合っているため一つの要因の改善だけでは中耳炎が治らない場合もあります。治療が長期間になる場合も多いため家族への十分な説明とともに適切な治療が必要になってきます。