寒い季節になってきました。
久しぶりのジャックです。

羽毛布団にくるまっているジャックです。

ジャックが羽毛布団から出て残った穴です。
もうすぐボサボサの毛をカットする予定です。
寒い季節になってきました。
久しぶりのジャックです。

羽毛布団にくるまっているジャックです。

ジャックが羽毛布団から出て残った穴です。
もうすぐボサボサの毛をカットする予定です。

寒い季節がやってきました。当院の壁紙もハロウインからクリスマスバージョンに変更しました。スタッフの手作りです。忙しい仕事の合間に作ってくれました。いつものことですが感謝です。
急性中耳炎はお子さんがよくかかる病気の一つです。「急性に発症した中耳の感染症で、耳痛、発熱、耳漏を伴うことがある」と定義されています。ただし乳幼児などのお子さんは痛みを表現できず、不機嫌や耳をよくさわるようなしぐさなどが急性中耳炎のサインになることがあります。
急性中耳炎は、1)生まれてから3歳までに50~70%の小児がかかる、2)ほとんどの小児が生まれてから2歳までに少なくとも1回は急性中耳炎にかかる、3)生後3歳までに30~40%の小児が3回以上の急性中耳炎にかかるなどの報告があります。
多くのお子さんが一度はかかる急性中耳炎ではありますが、一部のお子さんは何度も急性中耳炎にかかり、頻回の通院が必要になる場合があります。反復性中耳炎と呼ばれ「過去6か月以内に3回以上、12か月以内に4回以上急性中耳炎に罹患する」と定義されています。また急性中耳炎の治療をおこなっても治療に抵抗する難治性中耳炎もあります。
中耳炎の反復や難治化にはいくつかの要因が考えられています。
・患者の免疫力:中耳炎の反復や難治化する患者は2歳未満が圧倒的に多いとの報告があります。生後6か月から2歳までは母体から移行された免疫が減少する一方で、お子さん自身の免疫が発育途上のため免疫による防御能力が不十分なことが原因として考えられます。急性中耳炎の原因菌の一つに肺炎球菌があります。肺炎球菌ワクチンの予防接種は大切になります。
・環境要因:集団保育はウイルス性感冒がおこりやすい環境であります。細菌性の急性中耳炎は感冒を契機に発症することが知られています。マスク等による飛沫感染防止、頻繁な手指消毒などが大切になります。
・医療要因:抗菌薬が必要かどうか、どの抗菌薬を使用するかなど適切な治療法の選択が大切になります。その選択が適切でない場合は急性中耳炎の反復や難治化につながる可能性があります。
中耳炎の反復や難治化は、免疫・環境・医療などの複数の要因が重なり合っているため一つの要因の改善だけでは中耳炎が治らない場合もあります。治療が長期間になる場合も多いため家族への十分な説明とともに適切な治療が必要になってきます。
今回は、メニエール病の疫学と生活指導について書きたいと思います。
メニエール病の全国調査は以前より行われており、性別は1960年までは男性に多く、1976年~1976年の調査では男女同数となり、1982以降の調査では女性が多く、全体の6割を占めています。発症の背景因子では1)既婚者の割合が多く2)職業分布は専門技術職に多く3)几帳面で神経質な性格4)発症の時間帯は早朝から夕方に多く、夜間は少ない5)発症の誘因としてストレス、過労、睡眠不足が多いと報告されています。ストレスの原因としては職場での人間関係、離職や転職、家庭内不和、家族の病気や介護などがあり、複数が重なっている場合もみられます。
メニエール病の生活指導はストレスの原因を可能な限り避けること、規則正しい生活、睡眠不足の解消、過労を避けることが大切になってきます。ストレスを回避することは容易ではなく、自分の性格や行動は簡単に変えられるものではありません。そのため自分のプラスになるような趣味などの楽しみをみつけることができればストレスを感じている時間も短くなります。几帳面、完璧主義者が多いため頑張りすぎないことも大切です。ウオーキングや水泳などの適当な運動も有用です。
メニエール病の発症に気圧変化が関与する場合があります。気象に関しても寒冷前線通過時や低気圧の影響で発症しやすいとの報告もあります。そのため生活指導によりストレスが軽減している時期であっても気圧や気象の変化でメニエール病発作がおこることがあります。
メニエール病の好発年齢は30~50歳台ですが、60歳以上の新規発症患者もメニエール病全体の3割を占めていたとの最近の報告もあり、超高齢化社会を迎える本邦では高齢者のメニエール病患者が増加する可能性があります。
文章では生活指導も簡単に書けますが実際は思うようにいかない場合もあります。少しでもメニエール病発作の頻度を下げ日常生活への影響を小さくしていくかが大切になります。
アレルゲン免疫療法の歴史古く、皮下免疫療法は海外では1910年代から、我が国では1960年代から治療がおこなわれています。舌下免疫療法に関しては日本では2014年に液体によるスギ舌下免疫療法が、2015年には錠剤であるダニ舌下免疫療法が保険適応になりました。2018年にはスギも錠剤が発売され、現在は液体から開始した患者さんも錠剤への移行をおこなっています。(錠剤への移行が完了した患者さんがほとんどかと思います)
当初は12歳以上が適応でしたが、2018年に年齢制限がなくなり小児の適応範囲が広がっています。年齢下限の設定はされていませんが5歳以上が推奨されています。1)口の中に薬を正しく保持できるか、2)副反応の症状を適切に訴えられるか、3)投薬後の運動を控えることができるかなどが理由に挙げられます。
一番気になるのはやはり有効性だと思います。フランスでの5~17歳(総数736人)でのダニ舌下免疫療法の検討では、治療の尊守率(薬をしっかり使用しているか)が86.5%、効果を83.8%に確認でき、満足度は85.3%に認めたとの結果でした。成人(総数551人)と比較して同様であったとの報告があります。スギ舌下免疫療法も成人同様に有効であったとの報告があります。
小児期舌下免疫療法を開始する利点は、1)長期に渡るアレルギー性炎症による鼻粘膜組織が不可逆的な変化を防ぐことが期待されます。2)アレルギー性鼻炎の小児はしばしば喘息を合併し、鼻炎が重症であるほど喘息のコントロールが悪いとの報告があります。鼻症状の改善は喘息へのよい影響が期待されます。3)小児期のアレルギー性鼻炎は喘息発症の危険因子です。喘息発症の予防的効果も期待されています。
副反応も両親にとって気になることかと思います。ダニ、スギ共に大人と同じ量、同じスケジュールで治療をしていきます。副反応の多くは口の中の違和感、掻痒感(かゆみ)や腫脹など局所反応がほとんどです。ただし低年齢であるほどアナフィラキシーなどの症状を適切に訴えることが難しい場合もあり十分な注意が必要になります。
舌下免疫療法は長期に渡る治療のため、治療を継続するために低年齢であるほど家族の協力が不可欠です。年齢が上がってくると薬は患者の自己管理になることが多いためしっかり薬を服用できているか、服用後に運動をしてしまわないかなどの注意も必要になります。
外来にてご相談ください。
良性発作性頭位めまい症は耳石が関与するめまいとしてご存じの方も多いと思います。めまい疾患の中で最も頻度が高いと言われています。
今回は、良性発作性頭位めまい症ではなくメニエール病について書いてみます。メニエール病はめまい発作を繰り返し、めまい発作に伴い聴覚症状(難聴、耳鳴、耳閉感など)が出現します。めまいの初期はめまい発作が改善すると聴覚症状も改善しますが、めまい発作を繰り返している間に難聴が改善しなくなります。めまい発作の持続時間は10分程度から数時間程度です。数秒から数十秒程度の短いめまいや1日以上続くめまいはメニエール病とは考えにくいと思われます。
メニエール病非定形例と呼ばれる病態があります。蝸牛型と前庭型があります。
蝸牛型は、難聴、耳鳴、耳閉感などの聴覚症状を反復しますが、めまい発作を伴わない病態です。メニエール病への移行(めまいを伴うようになる)は約20%と報告されています。
前庭型は、メニエール病のようなめまい発作(誘因なく、10分程度から数時間程度のめまい)を反復し、聴覚症状(難聴、耳鳴、耳閉感など)を伴わない病態です。メニエール病への移行(聴覚症状を伴うようになる)は約15%と報告されています。
メニエール病は、脳梗塞や脳出血などの中枢性めまい(頭のめまい)のように生命に関与するめまいではありませんが、めまい発作が頻回の場合は日常生活への影響も大きくなります。
メニエール病の治療は薬物療法だけでなく生活指導が大切になります。生活指導には過労、睡眠不足、ストレスを避け、ウオーキングなどの有酸素運動も有効です。これらの治療法でめまい発作が抑えられ場合が多いのですが一部にはめまいが改善しない場合もあり、中耳加圧療法などの新しい治療法もでてきています。
メニエール病や良性発作性頭位めまい症以外にも様々なめまい疾患があります。最近では前庭性片頭痛や持続性知覚性姿勢誘発性めまいと呼ばれるめまい疾患もあります。
メニエール病に関しては疫学や生活指導について、その他のめまい疾患についてもブログ更新していきたいと思います。